「アシュタンガ・ヨーガは最低でも週3日以上練習しましょう」と言われている意味
昔、アシュタンガ・ヨーガを練習しだした頃、よく先生に「アシュタンガ・ヨーガは毎朝週6日練習するものです。はじめのうちから毎朝練習するのは敷居が高いかもしれないからまずは週3日以上練習することを目指して練習しましょう」と言われたものだ。
アシュタンガ・ヨーガをする前の私は夜型人間で朝早く起きて練習するなんてとてもありえない、と思っていたので週3日と言われても、夜、仕事が終わってからヨガスタジオに通うのと週末に練習するのを合わせたら、なんとか週に3日練習することはなんとかできるかもしれない。。と思って練習を始めた。
クラスに初めて来た生徒さん達が一同に口を揃えておっしゃるのは「翌日、体がバッキバキの筋肉痛になって体じゅうが痛くて大変でした」ということだ。
もちろん私もそんなうちの一人だった。そしてみんな誤解しがちなのが「1週間に1回とか2週間に1回の練習でもこんなに全身が筋肉痛になるのに、毎朝練習なんてしたら 今以上のありえないほどの筋肉痛になるんじゃないかな。 いやーそんな激しい筋肉痛になるなんて無理無理。私にはできないわ」
ていう誤解。 実は反対で練習数を増やすと実は筋肉痛が激しくなるどころか よりもっと筋肉痛に襲われる強度は減っていく。アシュタンガ・ヨーガは流れるように呼吸と体の動きを連動させながら余計な雑念が浮かぶ暇もなく休みなしに動いていく。全身の筋肉を動かしながら動いていく。このアシュタンガ・ヨーガのシークエンスは基本的に毎朝練習するためにできている。
たまにすると激しい筋肉痛になる練習は毎朝練習すると筋肉痛の激しさはずいぶんと減る。これは私は今でもたまに経験している。例えば月経の時。3日はお休みしないといけないから3日休んでから練習を再開すると軽いけど若干筋肉痛になる。 またインフルエンザにかかって1週間練習をお休みしないと行けなかった時。1週間ぶりに練習した時はハムストリングが突っ張り、体のふしぶしが痛くなったこともある。
これが毎朝練習すると筋肉痛は本当に起こりにくくなる。さらに毎朝練習することでより体は柔軟になり、スタミナが付き、強くしなやかな体に変化していく。
朝練習することで全身の血流が良くなり、便秘が改善されたり、生理痛が軽減されたりもした。そんな体の変化が嬉しくて練習を続けていくとゆっくりだけど確実に体の柔軟性と強靭性が養われていった。
身体的な実感もそうだけど、練習をしながら毎朝自分の体の感覚や心の状態を見る練習をしているので、毎朝自分の心の状態を客観的に見れるようになっていく。
今日の呼吸は深く長い呼吸ができているのか、浅い呼吸になっているのか、から心の状態を映し出してくれていることに自分自身で気づいたり、心がしんどいと自分で気づけたり。。
毎朝大量の汗をかき、体の内側からいらないものを浄化していき、心と体をクリアにしていく。それが積み重なっていくと 例えば余計な贅肉が削げ落ちていったり、血圧が正常値に戻ってくれたり、、といった体の変化とともに心がストレスに対して耐性が強くなったり、自分で自分を追い詰めることをしなくなったり、人にも自分にも優しくなれたり、、といった心の変化もでてくる。
そんな変化が出てくるのはヨガの練習が日常生活の一部になればこそ、の変化だったりする。アシュタンガ・ヨーガは他の流派に比べてポーズのシークエンスが難しかったり、運動量が多かったりもするけれど、毎朝やっているからこそ、変化のスピードが速く、心に与える影響も大きいのではないかと思う。
「ヨガやってみたけど全然変わらないから辞めた。」って人も多いとは思うけど、変わらない、と言っているその人は一体どれくらいの練習をやってきたのだろう。
週3日も練習することが無理だし、、って言っていて本来は週6日練習するところを半分の練習量でも無理、ということであればそれだけ変化のスピードは遅くなって当然かとも思う。
でもスピードばかりを追い求めても心がしんどくないかなぁ、とも思う。
私は体の変化のスピードが人一倍遅く、毎朝練習していてもなかなか変わらなかった。焦るがあまり自分を追い込んで練習して怪我したりもした。でもいつだったか、ある先生に「変化のスピードなんてゆっくりでいいじゃない。急成長した木々は折れやすいっていうよ。じっくりゆっくり成長していって強い幹を育てていけばいいじゃない」と言われたことが今でも心に残っている。
急速にいろいろなものが変化したいから毎朝練習するのではなくて、自分の心と体を整えるために毎朝練習する。
その結果として体の変化が起こったり心の変化が起きたりする。はじめから期待してやっていたわけではなく、ただ無心に練習を楽しんでいたら数年後には体つきも心のありようも変わっていた。てのが理想のパターンなのではないかな、と思う。
ただヨガマットの上に立ち、練習する。何も自分が習っているポーズを毎回全部練習しなくともたとえ太陽礼拝だけでも練習する。呼吸に意識を向ける。それをするのに体の柔軟性なんて関係ない。何歳だろうと関係ない。男だろうと女だろうと関係ない。
難しいことを考えずに練習する。 ただそれだけだ。
昔、アシュタンガ・ヨーガの創始者のパタビジョイス氏は「ヨガをするのは誰でもできる。若者も年よりも、男女も関係なく。病人も練習できる。練習できない人がいるとすれば 怠惰な人だけだ。」と言ったと言われている。
最近この言葉の意味をしみじみと実感する。 アシュタンガ・ヨーガは知らない人から見ればアクロバティックなポーズの連続で初心者には向かない、とか体の堅い人には向かない、とかあらぬ誤解を受けているけれど、体が堅かろうと、年をとっていようと、堅いは堅いなりに、ただヨガマットの上に立ち、毎朝練習すれば良いのだ。
毎朝練習することで体が変化していくからよりポーズがやりやすくなっていくのだ。それが何歳であっても。
そんなことを思う今日この頃。
そんなわけで兵庫クラスも新開地クラスもより開催頻度を上げようと開催回数を増やします。新開地マイソールクラスは月・水・金の週3日に来月の8月から、兵庫クラスは今までの月2回程度から月3回~4回程度に。
そうはいっても私の練習や研修のために休講がある時もありますがどうかご理解下さい。
家での練習が難しい人は極力クラスに参加して練習頻度をできるかぎり上げてくれたらいいなと思います。そしてクラスでの練習と自宅での練習とを組み合わせ、極力週3日は練習できるように目指してくれたらいいなと思います。
じっくりゆっくり成長して太い木の幹のように折れにくい心と体を練習で養えたらいいな。。