帰国して思うこと

日本に帰国して早くも1週間近くが過ぎようとしている。インドでは家の電圧の不具合のせいでノートパソコンの充電ケーブルがショートしたせいでせっかく重たい思いして持っていったノートパソコンでブログを書くことはほとんど叶わなかった。

帰国当日は今までのインド渡航で過去最強に疲れ果てた。というのも最後の練習終えて家に帰りパッキングを済ませ、友人とランチしてPM3:30にはマイソールを出発したのに道路渋滞で空港に到着できたのはPM8:00だった。いつもなら3時間半もあれば到着していたのに4時間半もかかり、おまけに道が混んでいるからということでタクシーが空港までの高速道路ではなく裏道を行ったので道路は凸凹でお尻が痛くなるほどだった。あまりに疲れ果てすぎて空港についてから1時間、友人とただぼーっとベンチで放心状態で座りこんでいた。

そんな疲労困憊のところに乗るはずの飛行機は2時間半出発が遅れ、PM11:10出発のはずが翌朝真夜中のAM1:50にやっと出発した。シンガポール経由で2時間半の乗り継ぎのはずが乗り継ぎ便に間に合わないからとその後の便に変更になり空港で6時間時間をつぶしてヨレヨレになりながら関空に着いた。 その後も家までを空港からシャトルタクシーの予約をしていたのですぐに家に帰れるかと思えば他の1組のお客さんがなかなか来ないということで1時間近く待ち、当初の予定では日曜日の夕方には家に帰りついているはずが夜11時過ぎになってやっと帰りついた。

夕方に帰宅できると思っていたものだから翌日からクラス再開の予定でスケジュールを組んでいたので、そんな自分の行動をとっても後悔した。スーツケースのパッキングもほどかずとりあえず寝て翌朝はシャラを開けにいった。今まで数多くのマイソール渡航でここまで当初の予定と違ったのは初めてで、家に辿りつくその瞬間までインドに試されているように思えてならなかった。

日本に帰るとまた毎日が独りの練習だ。 マイソールで毎日先生の下で練習できていた環境はやはりとても幸せだったと思う。 寒い日本の朝、まだ夜も明けきらない真っ暗な中シャラに向かう。誰に見られているわけでもない。誰かがアジャストしてくれるわけでもない。クラスもそんなに生徒さんが来てくれるわけでもない。

独りの練習、セミプライベート状態、プライベート状態のクラス。 沢山の人に囲まれて練習していたマイソールでの生活から一変した。 もちろん1人でも生徒さんがいてくれれば幸せなことだと思う。

なんだか日本での練習をしながらシャラート先生がカンファレンスで自分の体はお寺で練習することはお寺に参り祈りを奉げることと同じだ、と言ってはったこと、シャラはお寺と同じだとも言ってはったことを思い出し、シャラがお寺だとすればインドで観光1日旅行に行った時、立ち寄ったお寺の中でほとんど人がお参りにこない、来たとしてもほんの数人とかのひっそりとしたお寺のことを思い出した。

インドのお寺でも日本のお寺でも地元の人や観光客がわんさか押し寄せる人の出入りの多いメジャーなお寺もあればひっそりと人知れずパラパラとしか人が来ないお寺もある。 人がほとんど来なくても変わらずそのお寺は凛として存在していた。

もしかしたら楽の森もそんな場所なのかもしれないな、と思った。人が沢山の中で練習するのは熱を貰えるし、それも良いけれど、静かに集中できる環境で練習を積み重ねていける。 今回のマイソール修行で次回までの宿題を貰えた気がしたのでその課題にしっかり取り組むべく練習を重ねよう。 静かに集中して練習できる環境づくりを心がけて楽の森を私なりのお寺にしよう。

私なりのお寺、という意味はアーサナの練習はもちろんしているし、自分ができないアーサナができるようになると嬉しいけれど、体が変化してアーサナができるようになることも大事かもしれないけれどできるようになるために毎朝淡々と練習を積み重ね、できないことができるようになっていく過程、苦手なことに取り組んでいる時の自分の呼吸や内面に意識を向けて自分を認識していくこと、できているつもりのアーサナでも日々異なる自分の状態を知ること、認識していくことによって次第に自分の心や体が変化していくこと、の意味だ。

ヨガはアーサナだけではない、という言葉、昔からよく言われていた言葉だけど本当の意味で理解できたのは今季のマイソール修行からだったな、と思う。 日本での先生から以前「アーサナが進んでオーサライズ貰ったらっていいってもんちゃうで。ヨガが進んでるなんて意味ちゃうで」と言われた意味がやっと理解できた。

ヨガを始めて間もない人やヨガをしていない人からしたら何の話や?って理解不能かもしれないれど肉体的運動だけではない精神的修行のヨガの練習、瞑想的練習にフォーカスした練習のほうがアシュタンガヨガはそれこそ老婆になるまでずっと続けていけると思う。単なるアクロバティックな動きができて得意になるようなヨガではなくて一生自分の心と体をケアしてくれるヨガを続けていこう。

 

 

 

 

 

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